icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻3号

2006年03月発行

文献概要

コーヒーブレイク

横須賀ストーリー [3]米国人の体型について思う

著者: 伊藤機一1

所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学人間総合・専門基礎

ページ範囲:P.255 - P.255

文献購入ページに移動
 2005年7月25日から6日間,米フロリダ州オーランドで開催された全米臨床化学会・国際臨床化学会合同会議に出席した.久々の渡米であったが,まず驚いたのは米国人の20%ほどが“KONISHIKI”風の肥満者であったことだ.性・年齢・人種を問わずである.わが横須賀市にも米兵やその家族が多いが,肥満者は2%にも満たない.最近,“メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)”が世界的に重視され,“要注意”の診断基準の冒頭が内臓脂肪の蓄積(日本国内基準:ウエストサイズが男性85cm 以上,女性90cm以上)であるのがよく理解できた.会議,展示会は大盛況で,日本のように医療を単に“消費”として位置づけるのでなく,“国力への投資”とする姿勢が強く感じられた.

 学会参加前に憂うつなことが一つあった.展示会場で最大ブースを占める米大手某メーカーとの会見不履行の件である.会場で本国のリーダーと会いたいので対処して欲しいという筆者の希望が簡単に“ノー”となったのである.日本臨床検査標準協議会(JCCLS)尿検査部会が5年越しの討議で決着させた尿試験紙法(蛋白・糖・潜血)1+濃度の統一化作業(2003)は,米本国関係者の決断があって成就されたことに対し直接謝意を表したかったのだ.アメリカは世界標準のリード国家だ,勝手に口出しするな,といった冷ややかな天の声を感じての渡米でもあったのだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら