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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻4号

2006年04月発行

文献概要

技術講座 血液

血小板凝集能検査

著者: 雨宮憲彦1

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.337 - P.342

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新しい知見

 血小板凝集能の測定法は種々あるが,多血小板血漿中の血小板凝集における光透過性の変化を捉える吸光度法が普及している.吸光度法は測定原理が簡単なことから再現性に優れており,血小板機能低下の検索に有用な測定法であるが,血小板機能亢進状態の把握には不適であった.1994年に新しい血小板凝集能検査法として,散乱光を用いた粒子計測法が開発された.粒子計測法はレーザービームを凝集塊に照射し,凝集塊から発生する散乱光強度を検出することで吸光度法では困難だった血小板が10個程度凝集した小凝集塊の検出を可能にした.この検査法は検出感度がより鋭敏になり,種々の動脈血栓性疾患や糖尿病などの血小板機能亢進状態の評価に有用である.

参考文献

1) Born GVR: Aggregation of blood platelets by adenosine diphosphate and its reversal. Nature 194:927-929,1962
2) Ozaki Y, Satoh K, Kume S, et al: Detection of platlet aggregates with particle counting method using light scattering. Anal Biochem 218:284-294,1994
3) 尾崎由基男:新しい血小板凝集能測定法の開発.日本臨床検査自動化学会会誌 27:173-177,2002
4) 佐藤金夫,尾崎由基男,矢冨裕,他:散乱光を用いた粒子計測法による血小板凝集能の測定.日本血栓止血学会誌 8:55-61,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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