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疾患と検査値の推移
慢性骨髄性白血病(CML)
著者: 佐藤優実子1 横田浩充1 矢冨裕12
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部 2東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学
ページ範囲:P.347 - P.351
文献購入ページに移動慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia,CML)は多能性造血幹細胞の異常により,末梢血中に芽球から成熟好中球までの各段階の顆粒球系細胞が増加し,白血球増多症をきたすことを特徴とする疾患である.フィラデルフィア(Philadelphia,Ph)染色体と呼ばれる染色体異常を認めることが特徴である.中年期以降に発症することが多く,臨床経過は極めて特徴的で,脾腫以外は比較的症状に乏しい慢性期を数年経た後,移行期,急性期へと進展して死に至る.
病態生理
CMLで認められるPh染色体は,9番染色体と22番染色体の長腕間の相互転座t(9;22)(q34;q11)の結果生じる(図1-a).CMLではこの転座がその発症に重要な役割を担っていることが証明されている1).
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