文献詳細
検査じょうほう室 生化学 おさえておきたい生化学の知識
文献概要
はじめに
検査値を解釈する場合,食事や運動の影響といった生理的変動要因を考慮しなければならないことがある.血糖値はまさにそのような検査項目の代表である.これら生理的変動を受ける検査項目については解釈を単純化するため,早朝,安静,空腹時の採血が奨められてきた.このことは検査に関するすべての教科書の最初に書かれてあり,疑問を差し挟む人などいなかった.しかし,最近,心血管疾患(虚血性心疾患プラス脳卒中)との関係で食後血糖値が注目されている.
本稿では,なぜ,空腹時血糖値ではだめなのかを解説し,また,そこから今後の検査の在りかたも考察してみたい.
検査値を解釈する場合,食事や運動の影響といった生理的変動要因を考慮しなければならないことがある.血糖値はまさにそのような検査項目の代表である.これら生理的変動を受ける検査項目については解釈を単純化するため,早朝,安静,空腹時の採血が奨められてきた.このことは検査に関するすべての教科書の最初に書かれてあり,疑問を差し挟む人などいなかった.しかし,最近,心血管疾患(虚血性心疾患プラス脳卒中)との関係で食後血糖値が注目されている.
本稿では,なぜ,空腹時血糖値ではだめなのかを解説し,また,そこから今後の検査の在りかたも考察してみたい.
参考文献
1) Tominaga M, Eguchi H, Manaka H, et al: Impaired glucose tolerance is a risk factor for cardiovascular disease, but not impaired fasting glucose. The Funagata Diabetes Study. Diabetes Care 22:920-924,1999
2) DECODE Study Groupu:uGlucose tolerance and mortality: comparison of WHO and American Diabetes Association diagnostic criteria. The DECODE study group. European Diabetes Epidemiology Group. Diabetes Epidemiology: Collaborative analysis of Diagnostic criteria in Europe. Lancet 354:617-621,1999
3) Monnier L: Is postprandial glucose a neglected cardiovascular risk factor in type 2 diabetes? Eur J Clin Invest 30(Suppl 2):3-11,2000
掲載誌情報