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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻4号

2006年04月発行

文献概要

臨床検査フロンティア 検査技術を生かせる新しい職種

放射線取扱主任者

著者: 山﨑章1

所属機関: 1東京医科大学八王子国際センター核医学検査室

ページ範囲:P.380 - P.381

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はじめに

 放射線や放射性同位元素(radioisotope:同じ原子番号で質量の違うもののうち放射能を持つ同位元素)は医療用具の滅菌やがんの治療などに用いられるだけでなく,食品の保存や半導体の加工,燃料電池,工業製品の透過検査,物質の定性・定量などにも広く利用されています.

 この放射線は人間の五官では感じ取ることができないエネルギー持っており,直接または間接に空気を電離する能力を持っています.その種類はいろいろあり,大まかには粒子線と電磁波とに分けられ,粒子線にはα線,β線,中性子線,重粒子線などが含まれ,一方の電磁波にはレントゲン検査で使用されるX線とガンマ線とがあります.

 核医学(nuclear medicine)と総称される分野では,放射性同位元素を用いて臓器の形態や機能を検査し,病態の診断を行います.具体的には,放射性同位元素を体内に投与し,臓器の形態・機能を画像で直接評価するin vivo検査〔最近ではSPECT(single photon emission computed tomography,単光子放出コンピュータ断層撮像)検査とか,PET(positron emission tomography, 陽電子放射断層撮像)検査などと呼ばれることが多くなりました〕と血中の腫瘍マーカーや内分泌成分の定量分析やDNA分析を行うin vitro検査とに分けられるのが一般的のようです.

 このように放射線や放射性同位元素は日常の生活に根付いた存在になっています.その利用の理念は平和の目的・民主的な運営・自主的・成果の公開をもとに,原子力基本法や放射線障害防止法などの規制を受けながら利用されています.放射線取扱主任者はこの利用の理念を遂行するために意義のある存在と考えています.

参考文献

1) 初級放射線.(株)通商産業研究社,1977
2) 放射線概論.(株)通商産業研究社,1984
3) 新・放射線取扱主任者必携,産業図書,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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