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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻5号

2006年05月発行

文献概要

オピニオン

薬剤耐性菌の感染対策

著者: 奥住捷子1

所属機関: 1獨協医科大学病院医療安全管理部感染防止対策課

ページ範囲:P.419 - P.419

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 日本の感染対策は,MRSAを主軸として約20年前頃から全国的に波及した.医療従事者はmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の頭文字がMRSAと共通認識していたが,その頃から既に多剤耐性黄色ブドウ球菌:multi drug resistant Staphylococcus aureusではないかと揶揄する評論家もいた.今改めて多剤耐性菌の略称をみると,MDRTB:多剤耐性結核菌や,MDRP:多剤耐性緑膿菌があり興味深い.ほかにも耐性菌の種類は多く,またその菌特有の薬剤耐性パターンを示す自然耐性菌が各種検出され感染対策の対象菌となっている.

 薬剤耐性菌の感染対策には,自施設内での薬剤耐性菌の現状把握を可能にするデータ整備が必須である.①各種薬剤耐性菌の検出状況,②代表的な臨床分離菌の薬剤感受性パターン,③薬剤耐性分離菌の疫学的特性(患者様の診断名,年齢,性別,病棟・診療科,抗菌薬使用状況など)について,その動向をわかりやすく提示することである.その際,検査部門が果たす役割は大きい.担当の業務の多忙さ煩雑さは理解できるし負担も大きいであろうが,施設内で生のデータに最も近いのは検査部門であるという意識で臨むことを期待したい.微生物学検査が外注の場合も含めて臨床検査技師として職務についている以上,正確な知識に基づき微生物検査データを集計解析し迅速に関係部署に周知しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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