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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻5号

2006年05月発行

ラボクイズ

4月号の解答と解説

著者: 吉野一敬1

所属機関: 1北海道立苫小牧病院検査科

ページ範囲:P.439 - P.439

文献概要

【問題1】 解答:⑤キサントクロミー髄液にヘパリンが混入した

解説:内容はヘパリンを入れた容器に採取されたリコールです.ヘパリンの入った髄液をサムソン液(Samson solution)で細胞数を数えようとすると,このようなゴミのようなものが出現してきます.ちなみにパッペンハイム液(Pappenheim solution)ではこのようなことにはなりません.図1は同じヘパリンが混じった髄液をパッペンハイム液で観察したものです.これはひっかけ問題みたいですが,出遭いそうな症例なので掲載しました.あと観るべきはリコールの外観で,キサントクロミーです.キサントクロミーは黄色というイメージがあるのですが,問題1の写真のように髄液内への出血が多いと黄色というより,褐色に近い色になることがあります.これは脳髄膜に古い出血があることを示していますが今はあまり見る機会も少なくなりました.現在髄液検査がやられなくなった理由の一つとしてCTなど脳の画像診断の発達があります.脳出血の診断がリコールを採取しなくてもできるようになったからです.それとともにリコールの検査も減り,脳神経科とか小児科のあるようなところでしかリコールを採取しなくなりました.入れる容器も気にかけなくなりこんな間違いも起こってしまうかもしれません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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