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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻5号

2006年05月発行

文献概要

検査じょうほう室 生理 心電図の読みかた・5

不整脈の読みかた その1―不整脈の種類,検査,診断,治療

著者: 南家俊彦1 三宅良彦1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学循環内科

ページ範囲:P.468 - P.472

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 不整脈は,心臓拍動のリズムが乱れた(脈が不整な)ものと考えやすいが,リズムの乱れがない不整脈も存在する.そこで不整脈を正確に表現すると,①心臓に興奮発生の異常または②刺激伝導系の異常があるものとすることができる.興奮の異常が発生すれば,脈のリズムが乱れるタイプの不整脈(心房・心室期外収縮,発作性上室頻拍,心室頻拍,心房細動・粗動,心室細動など)が出現する.また,興奮発生は規則的でも刺激伝導の通過異常が生じると,リズムは正常であるタイプの不整脈〔脚ブロック,房室ブロック,WPW症候群(Wolff-Parkinson-White syndrome,ウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群)など〕が出現する.

不整脈の症状

 不整脈の症状に関しては,なんら症状を有さないもの(無症候性)から,脈が飛ぶ(結滞),動悸,胸部不快感などの軽いもの,さらにはめまい感,失神など重篤な症状を呈するものもある.しかし,症状だけではその原因となる不整脈について診断することはできない.症候性の場合は,症状が続いている間に心電図を記録して不整脈を検討することが必要である.不整脈は心電図以外に診断する方法はなく,心電図が唯一の確定診断法である.

参考文献

1) 南家俊彦,村山正博:心電図と心電図モニタリング.黒川清,松澤祐次(編):内科学,第2版.文光堂,pp534-541,2003
2) 南家俊彦,三宅良彦,龍祥之助:覚えておきたいモニター心電図.三宅良彦(編):今さら聞けないモニター心電図,第1版.照林社,pp12-56,pp100-105,2003
3) 南家俊彦:不整脈.三宅良彦,平野三千代(編):心電図の見方・読み方Q&A,第1版.照林社,pp48-74,2002
4) 南家俊彦:心電図波形の成り立ちとその誘導法.救命医学 26:249-254,2002
5) 南家俊彦,三宅良彦:ホルター心電図の使いかたと臨床的意義.検査と技術 28:253-260,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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