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高脂質血症薬の抗ウイルス作用
著者: 池田正徳1 加藤宣之1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科分子生物学分野
ページ範囲:P.491 - P.494
文献購入ページに移動はじめに
スタチン剤は現在,世界で最もよく使われている薬剤の一つで,高コレステロール血症の治療剤として臨床で用いられている.わが国では,現在,アトルバスタチン,シンバスタチン,プラバスタチン,フルバスタチン,ピタバスタチン,ロスバスタチンの6種類が承認されている.スタチン剤はコレステロールの合成阻害を主要な薬理作用として持ち,血中のコレステロールを下げる薬剤として開発されたものであるが,最近,コレステロール低下作用以外の多様な効果も注目されつつある.
本稿では,スタチン剤のコレステロール低下作用以外の新しい効果として,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus,HCV)を中心とした抗ウイルス効果について解説したい.
スタチン剤は現在,世界で最もよく使われている薬剤の一つで,高コレステロール血症の治療剤として臨床で用いられている.わが国では,現在,アトルバスタチン,シンバスタチン,プラバスタチン,フルバスタチン,ピタバスタチン,ロスバスタチンの6種類が承認されている.スタチン剤はコレステロールの合成阻害を主要な薬理作用として持ち,血中のコレステロールを下げる薬剤として開発されたものであるが,最近,コレステロール低下作用以外の多様な効果も注目されつつある.
本稿では,スタチン剤のコレステロール低下作用以外の新しい効果として,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus,HCV)を中心とした抗ウイルス効果について解説したい.
参考文献
1) 21世紀に伝えたい「新薬開発物語」,R&D UPDATE No.7.日本製薬工業協会
2) Zang FL, Casey PJ: Protein prenylation: Molecular mechanism and functional Consequences. Ann Rev Biochem 65:241-269,1996
3) Ye J, Wang C, Sumpter R, et al: Disruption of hepatitis C virus RNA replication through inhibition of host protein geranylgeranylation. Proc Natl Acad Sci USA 100:15865-15870,2003
4) Wang C, Gale M Jr, Keller BC, et al: Identification of FBL2 as a geranylgeranylated cellular protein required hepatitis C virus RNA replication. Mol Cell 18:425-434,2005
5) Giguere JF, Tremblay MJ: Statin compounds reduce human immunodeficiency virus type 1 replication by preventing the intracellular adhesion molecule 1 and its natural cell surface ligand LFA-1. J Virol 78:12062-12065,2004
6) Weitz-Schmidt G, Welzenbach K, Brinkmann V, et al: Statins selectively inhibit leukocyte function antigen-1 by binding to a novel regulatory integrin site. Nat Med 7:687-692,2001
7) Potena L, Frascaroli G, Grigioni F, et al: Hydroxymethyl-glutaryl coenzyme A reductase inhibition limits cytomegalovirus infection in human endothelial cells. Circulation 109:532-536,2004
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