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文献概要
病気のはなし
結核
著者: 佐々木結花1
所属機関: 1国立病院機構千葉東病院呼吸器科
ページ範囲:P.510 - P.514
文献購入ページに移動肺結核は,再興感染症として注目を浴びており,世界的にみてもわが国の結核罹患率は中蔓延状態を呈している.結核菌は空気感染形式をとり,周囲に感染が拡大する要因として,喀痰塗抹陽性者が早期診断なされないことが挙げられる.確定診断は菌の検出であり,現在,均等化後遠心集菌材料を用い,塗抹・培養検査を行う.治療はINH(イソニコチン酸サリチル酸),RFP(リファンピシン)を中心とした複数の抗結核薬を組み合わせて投与する.一定期間確実な服薬を行わなければ薬剤耐性菌の出現も生じるため,服薬支援としてDOTSが世界的に行われている.本邦における菌陽性肺結核患者の死亡率は10.1%と不良である.公衆衛生学的見地から結核を封じ込める対策を今後も継続する必要がある.
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