文献詳細
文献概要
けんさ質問箱Q&A
血清NTX測定でクレアチニン補正をする理由は?
著者: 三浦雅一12
所属機関: 1(株)三菱化学ビーシーエル研究開発部 2日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用に関する指針検討委員会」
ページ範囲:P.569 - P.571
文献購入ページに移動Ⅰ型コラーゲン架橋ペプチドとは
Ⅰ型コラーゲンは生体内では最も多いタイプのコラーゲンで,骨では有機基質の90%以上を占める主要な蛋白質である.このコラーゲン線維の構造を保持しているのが,コラーゲン線維内の三価のハイドロキシピリジウム架橋〔ピリジノリン(PYD)およびデオキシピリジノリン(DPD)〕で,これらは人体の多くのコラーゲン線維中に存在し,骨,皮膚,腱などに広く分布している.Ⅰ型コラーゲンは2本のα1鎖と1本のα2鎖とが3本らせん状にねじれ合ったヘリックス構造を形成しており,N末端部分(NTX)とC末端部分(CTX)に非らせんのテロペプチドを持っている.コラーゲンが成熟架橋であるピリジニウム架橋は,このN末端テロペプチド2本とヘリックス部分との間およびC末端テロペプチド2本とヘリックス部分との間には三価の架橋として形成される.これらの架橋成分は骨吸収によりⅠ型コラーゲンが分解されると,血中に放出され尿中に排泄されることから骨吸収マーカーとして注目されている(図1)1).
参考文献
掲載誌情報