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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻7号

2006年07月発行

文献概要

ラボクイズ

6月号の解答と解説

著者: 大田喜孝1

所属機関: 1聖マリア病院臨床検査部

ページ範囲:P.661 - P.661

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【問題1】 解答:② 細菌性髄膜炎

解説:細菌性髄膜炎は急激に発症し,頭痛,悪寒,発熱,嘔吐などとともに項部硬直やケルニッヒ徴候(Kernig sign)などの髄膜刺激徴候を認める.また,意識障害,脳神経症状などが出現することもある.早急な診断と治療を必要とし,治療が遅れると知能障害を残したり,最悪の場合死に至ることもある.主な原因菌として,新生児ではB群溶血性連鎖球菌,大腸菌,その他の腸内細菌が多く,小児では肺炎球菌,インフルエンザ菌が多い.成人では肺炎球菌,リステリア菌,緑膿菌,黄色ブドウ球菌,クレブシエラ,プロテウスなどが挙げられる.

 細菌性髄膜炎では一般に著しい髄液細胞増多をきたし,そのため髄液が白濁して見られることが多い.出現する細胞のおよそ80%以上を好中球が占める.今回の症例の髄液細胞塗抹標本では変性した著しく多数の好中球を認めるなか,随所に双球菌が観察された(図1).微生物学的検索で肺炎球菌であることが判明したが,未治療例ではこのように細胞塗抹標本上に菌体を検出できる可能性が高い.

参考文献

1) (社)日本臨床衛生検査技師会髄液検査法編集ワーキンググループ:髄液検査法2002.(社)日本臨床衛生検査技師会,pp15-55,2002
2) 佐藤能啓,大田喜孝:髄液細胞アトラス.朝倉書店,pp60-67,1992
3) 大田喜孝,元村佳代:計算盤で異型細胞を見逃さないためのポイント.Medical Technology 31:488-493,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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