文献詳細
文献概要
連載 臨床医からの質問に答える
血漿FDP検査について質問された
著者: 菅野信子1 矢冨裕1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.662 - P.666
文献購入ページに移動 背景
血中FDP(fibrin/fibrinogen degradation products,フィブリン/フィブリノゲン分解産物)の測定は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC)をはじめ各種血栓症,出血性疾患の病態把握に極めて重要で日常検査として広く普及している.
これまでのFDP測定法は,抗ヒトフィブリノゲンポリクローナル抗体を用いた方法で,専用試験管で作製したフィブリノゲン除去血清を検体として用いる測定法(血清FDP)であった.近年,フィブリノゲンと交叉反応せず,各種のFDP分画と反応するモノクローナル抗体を用いた測定試薬が開発され,血漿検体による測定法(血漿FDP)が可能となった.
血中FDP(fibrin/fibrinogen degradation products,フィブリン/フィブリノゲン分解産物)の測定は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC)をはじめ各種血栓症,出血性疾患の病態把握に極めて重要で日常検査として広く普及している.
これまでのFDP測定法は,抗ヒトフィブリノゲンポリクローナル抗体を用いた方法で,専用試験管で作製したフィブリノゲン除去血清を検体として用いる測定法(血清FDP)であった.近年,フィブリノゲンと交叉反応せず,各種のFDP分画と反応するモノクローナル抗体を用いた測定試薬が開発され,血漿検体による測定法(血漿FDP)が可能となった.
参考文献
1) 松野一彦:凝固・線溶の検査.三菱ウエルファーマ:2005
2) 安室洋子,山崎哲,井本清美,他:DIC:検査と治療の進歩と問題点5.臨床検査法の新たな展開と問題点.日本検査血液学会誌 4:57-66,2003
3) 菅野信子,田邊久美子,永友利律子,他:血漿FDPと血清FDPの測定値における乖離の検討.日本検査血液学会誌 6:332-340,2005
4) VanDe Water L, Carr JM, Aronson D, et al:Analysis of elevated fibrin (ogen) degradation product levels in patients with liver disease. Blood 67:1468-1473,1986
5) Gaffney PJ, Perry MJ:Unreliability of current serum fibrin degradation product (FDP) assays. Thromb Haemostasis 53:301-302,1985
6) 松田道生:フィブリノゲンの誘導体,とくに可溶性フィブリンとDダイマーについて.血栓止血誌 8:204-211,1997
7) 雨宮憲彦,小岩井孝夫,遠藤武,他:抗D分画モノクローナル抗体を用いた血清・血漿Fibrinogen/Fibrin Degradation Products(FDP)測定試薬の検討.日本検査血液学会誌 3:143-149,2002
8) 窓岩清次,坂田洋一:線溶マーカー.医学のあゆみ 206:81-85:2003
9) 片桐尚子,猪瀬芳子,川合陽子:分子マーカーの標準化.病理レビュー 130:87-98,2004
10) 片桐尚子,川合陽子:血液疾患の検査3)DIC:検査と技術 33(増刊号):1086-1090,2005
掲載誌情報