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文献概要
Laboratory Practice 一般検査
グルタルアルデヒドを用いた尿検体の保存法
著者: 田頭安徳1
所属機関: 1(株)日本医学臨床検査研究所検査部
ページ範囲:P.667 - P.669
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尿検体は室温に長時間放置すると,成分の変質をきたし最後には腐敗する.これは通常細菌の増殖による.細菌は尿中に多く存在する尿素を分解してアンモニアを生成するため,pHがアルカリ性に傾き多くの化学成分,細胞成分に影響を及ぼす.したがって尿は新鮮尿で検査することが原則である.しかし,24時間蓄尿や外注検査など検査を行うまでに一定の時間を要する場合には,保存剤の添加や専用容器(保存剤入)への採取が有効である.
ここでは,一般に内視鏡機器の消毒や電子顕微鏡標本固定剤として広く知られているグルタルアルデヒド(グルタラール:以下GA)を用いた尿検体の保存法について述べる.
尿検体は室温に長時間放置すると,成分の変質をきたし最後には腐敗する.これは通常細菌の増殖による.細菌は尿中に多く存在する尿素を分解してアンモニアを生成するため,pHがアルカリ性に傾き多くの化学成分,細胞成分に影響を及ぼす.したがって尿は新鮮尿で検査することが原則である.しかし,24時間蓄尿や外注検査など検査を行うまでに一定の時間を要する場合には,保存剤の添加や専用容器(保存剤入)への採取が有効である.
ここでは,一般に内視鏡機器の消毒や電子顕微鏡標本固定剤として広く知られているグルタルアルデヒド(グルタラール:以下GA)を用いた尿検体の保存法について述べる.
参考文献
1) 今井宣子:コントロール尿を用いた尿沈渣精度管理の試み.医学検査 40:71-74,1991
2) 野崎司,木庭敏和,伊藤機一,他:尿沈渣成分の保存を目的とした保存液の検討.医学検査 45:927-931,1996
3) 佐々木雅博,東恭吾,浅沼広子,他:尿円柱の永久標本作製法.医学検査 53:955-959,2004
4) 田頭安徳:グルタルアルデヒドを用いた尿中細胞保存液の有用性(抄).医学検査 42:694,1993
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