文献詳細
連載 失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
細胞診のアーティファクト―検体採取,塗抹,固定に由来するアーティファクト―乾燥
著者: 阿部仁1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.670 - P.672
文献概要
図1はリンパ節穿刺吸引材料の95%エタノール湿固定されたパパニコロウ染色(Papanicolaou stain)である.核がヘマトキシリンに無構造にべっとりと均一に染色されて,核内のクロマチン構造が明らかでない.また,各細胞間の細胞質境界も不明瞭で立体感がなく平面的で標本全体にぼやけた像になっている.図2の腹水も図1と同様に核内のクロマチン構造は不明瞭で,核小体らしきものがかろうじて見られる(↑).
どうしてこのような見づらい,判定に困難をきたす標本になってしまったのだろうか.
参考文献
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