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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻7号

2006年07月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学 腫瘍マーカー・5

肺癌マーカー―SCC・CYFRA・ProGRP・NSE・SLXを中心に

著者: 城大祐1 永田泰自1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院呼吸器内科

ページ範囲:P.685 - P.687

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 はじめに

 日本人の死因の第一位である悪性新生物のなかでも原発性肺癌は増加傾向を示し,男性で第一位,女性で第三位である.原発性肺癌は病理学的に非小細胞肺癌(non-small cell lung carcinoma,NSCLC)と小細胞肺癌(small cell lung carcinoma,SCLC)の二つに分けられ,臨床経過や治療方法が異なる.NSCLCの5年生存率はⅠA期,ⅠB期が約61~84.6%,約38~66.4%,Ⅱ期からⅢ期としだいに予後は不良となり根治手術の適応がないⅢB期,Ⅳ期は3~27%,0~19%となる.他方,SCLCの5年生存率は限局型が約10~13%,進展型では約1~2%と非常に予後不良である.

 腫瘍マーカー単独での原発性肺癌のスクリーニングは一般に有効でないとされ,また確定診断は病理診断によりなされるためその役割は限定的である.主に画像所見や臨床症状により原発性肺癌が疑われた際の診断補助やNSCLCとSCLCとの鑑別補助に用いる.また病期や治療効果と良好に相関し,陽性のものは治療効果の指標や再発・再増悪の指標として用いられる.原発性肺癌にはCEA(carcinoembryonic antigen,癌胎児性抗原)をはじめ種々の腫瘍マーカーが存在するがここでは主としてSCC・CYFRA・ProGRP・NSE・SLXについて記述する.

参考文献

1) 福田正明,岡三喜男:癌診断における腫瘍マーカーの有用性とその限界 肺癌.日本臨牀 54:1610-1615,1996
2) 仁保誠治,新海哲:腫瘍マーカー 肺癌.癌と化学療法 28:2089-2093,2001
3) 天野寅次,秋田弘俊:TMN分類と予後.臨床雑誌内科 95:46-49,2005
4) 福岡正博,西條長宏:プラクティカル内科シリーズ①肺癌.南江堂,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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