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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻7号

2006年07月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学

non-RIAのコルチゾール測定法での各種ステロイドとの交差反応性

著者: 阿部正樹1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.688 - P.690

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 はじめに

 コルチゾール(C21H30O5)は副腎皮質において合成,分泌される分子量362.47の糖質コルチコイドである.その血中濃度は主として下垂体の副腎刺激ホルモン放出因子(corticotropin-releasing factor,CRF),副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone,ACTH)により調整を受けており,作用は糖代謝をはじめとして,脂質,蛋白質の代謝や免疫機能にも関与している.血中コルチゾール濃度の測定は各種副腎疾患の診断のほか,視床下部-下垂体-副腎系機能の診断指標として重要である1)

 血中コルチゾールの測定方法は,最も信頼性が高いとされる同位体希釈-ガスクロマトグラフ質量分析法(isotope dilution-gas chromatography mass spectrometry,ID-GCMS)2)であるが,操作が煩雑であるため,日常検査には不向きであり,従来よりRIA(radioimmunoassay,放射免疫測定)法が測定の主流であった.一方,近年では専用施設や廃棄物の問題から各種のnon-RIAによる血中コルチゾール測定法も普及してきている3).これらのイムノアッセイにより血中コルチゾールを測定する際に考慮しなければならないことは各種ステロイドとの交差反応である.

 今回はnon-RIAの血中コルチゾール測定法を用いて血中コルチゾールを測定する際の交差反応性について紹介する.

参考文献

1) 田中孝司:コルチゾール.日本臨牀(増刊) 53:437-440,1995
2) Patterson DG, Patterson MB, Culbreth PH, et al:Determination of steroid hormones in a human-serum reference material by isotope dilution-mass spectrometry:A candidate definitive method for cortisol. Clin Chem 30:619-626,1984
3) 日本アイソトープ協会:測定結果一覧,第24回イムノアッセイ検査全国コントロールサーベイ(2002年)成績報告書,pp150-152,2003
4) 久住佳三,高坂唯子,西川彰治,他:ラジオイムノアッセイキットの評価法の実際.日本放射線技術学会雑誌 42:565-573,1986
5) 大竹皓子,加野象次郎:免疫学的測定法における干渉.検査と技術 25:207-213,1997
6) 阿部正樹,芳村浩明,鈴木晴美,他:non-RIAのコルチゾール測定法4種における各種ステロイドとの交差反応性について.日本臨床検査自動化学会会誌 29:395,2004
7) 濱政明宏,楢岡陽子,河中正裕,他:モノクローナル抗体を用いた血中コルチゾール濃度測定用radioimmnoassay法の基礎的ならびに臨床的検討.医学と薬学 42:1021-1028,1999
8) 出村博:ラジオイムノアッセイ.臨床病理(特集号52号):91-104,1982
9) 阿部正樹,芳村浩明,長谷川美幸,他:non-RIAの血中コルチゾール測定法における低濃度域測定値の検討―Preclinical Cushing's Syndromeの診断基準への対応.医学検査 54:769-773,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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