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検査じょうほう室 生化学
non-RIAのコルチゾール測定法での各種ステロイドとの交差反応性
著者: 阿部正樹1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部
ページ範囲:P.688 - P.690
文献購入ページに移動コルチゾール(C21H30O5)は副腎皮質において合成,分泌される分子量362.47の糖質コルチコイドである.その血中濃度は主として下垂体の副腎刺激ホルモン放出因子(corticotropin-releasing factor,CRF),副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone,ACTH)により調整を受けており,作用は糖代謝をはじめとして,脂質,蛋白質の代謝や免疫機能にも関与している.血中コルチゾール濃度の測定は各種副腎疾患の診断のほか,視床下部-下垂体-副腎系機能の診断指標として重要である1).
血中コルチゾールの測定方法は,最も信頼性が高いとされる同位体希釈-ガスクロマトグラフ質量分析法(isotope dilution-gas chromatography mass spectrometry,ID-GCMS)2)であるが,操作が煩雑であるため,日常検査には不向きであり,従来よりRIA(radioimmunoassay,放射免疫測定)法が測定の主流であった.一方,近年では専用施設や廃棄物の問題から各種のnon-RIAによる血中コルチゾール測定法も普及してきている3).これらのイムノアッセイにより血中コルチゾールを測定する際に考慮しなければならないことは各種ステロイドとの交差反応である.
今回はnon-RIAの血中コルチゾール測定法を用いて血中コルチゾールを測定する際の交差反応性について紹介する.
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