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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻7号

2006年07月発行

復習のページ

LD測定でのP→LとL→Pとの違いを知る

著者: 星野忠1

所属機関: 1駿河台日本大学病院臨床検査医学科

ページ範囲:P.691 - P.693

文献概要

[「今は乳酸だけど」って何?]

 先輩から「昔は乳酸脱水素酵素(lactate dehydorogenase,LD)をピルビン酸に反応させて活性を測っていたよ,今は乳酸だけど.」という話を聞いたことはありませんか.“乳酸脱水素酵素”なのだから乳酸に作用させて,その活性を測るのが本当でしょう.どうして以前は逆反応だったのでしょうか.また,近年わが国では正反応が用いられるようになったのでしょうか.確か,LDの正逆の反応については習ったはずですよね.

[乳酸脱水素酵素]

 LDは,臨床検査の生化学項目としてAST(aspartate aminotransferase,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ),ALT(aranin aminotransferase,アラニンアミノトランスフェラーゼ)と並び広く利用されている代表的な酵素の一つです.酵素には常用名と系統名とがあり,一般には常用名:Lactate dehydrogenase(LD)として呼ばれることが多く,系統名のEC1.1.1.27,L-lactate:NAD oxidoreductaseの名称をご存じの方は学生時代に臨床酵素に興味を持ち,勉強された方に違いないでしょう.

参考文献

1) 日本臨床化学会:ヒト血清中酵素活性測定法の勧告法-乳酸デヒドロゲナーゼ-(1989-08-30).臨床化学 19:228-246,1990
2) 前川真人:乳酸デヒドロゲナーゼ(LD).臨床病理レビュー 特集116号:81-89,2001
3) 日本医師会:平成16年度第38回臨床検査精度管理調査結果報告書,2005
4) 日本臨床衛生検査技師会:平成16年度日臨技臨床検査精度管理調査報告書,2005
5) 日本臨床化学会酵素専門委員会:ヒト血清中酵素活性測定の常用基準法―乳酸デヒドロゲナーゼ.臨床化学 32:81-97,2003
6) 星野忠,橋本寿美子,村上和美,他:乳酸脱水素酵素(LD)アイソザイム分画測定における市販検出用試薬の感度の差異―どのLD活性測定法との組み合わせが適切か.臨床検査 38:607-610,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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