icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻8号

2006年08月発行

文献概要

技術講座 血液

血液凝固補正試験

著者: 香川和彦1

所属機関: 1東京医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.735 - P.742

文献購入ページに移動
新しい知見

 血液凝固系の機序については,一連の酵素反応の発端として,組織因子・活性型第Ⅶ因子複合体が重要な役割を果たしていることが解明されてきた.この複合体は,直接的に第Ⅹ因子を活性化するだけではなく,第Ⅸ因子の活性化を介して第Ⅹ因子の活性化を補完していると考えられている.血液凝固系の機能を総合的に反映するAPTTやPTについても,動物臓器由来試薬から遺伝子組み換え型組織因子や合成リン脂質を利用した試薬が開発,市販されるようになってきた.血液凝固補正試験については目新しい知見はないが,多くの検査室で測定できる簡便な方法であり,工夫を重ねることで凝固阻止物質を検出できる有用なスクリーニング検査であることに変わりはない.

参考文献

1) Wilson WA, Gharavi AE, Koike T, et al:International consensus on preliminary classification criteria for definite antiphospholipid syndrome:Report of an international workshop. Arthritis Rheum 42:1309-1311,1999
2) 新井盛夫:凝固因子インヒビター測定.検査と技術 29:961-966,2001
3) 香川和彦:プロトロンビン時間(PT),国際標準比(PT-INR),トロンボテスト(TT).血栓と循環 12:373-378,2004
4) 香川和彦,福武勝幸:プロトロンビン時間と活性化部分トロンボプラスチン時間の問題点と標準化の可能性について.JJCLA 27:139-144,2002
5) Kanaji T, Okamura T, Osaki K, et al:A common genetic polymorphism (46 C to T substitution) in the 5′-untranslated region of the coagulation factor ⅩⅡ gene is associated with low translation efficiency and decrease in plasma factor ⅩⅡ level. Blood 91:2010-2014,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら