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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻8号

2006年08月発行

検査じょうほう室 一般検査 一般検査のミステリー

尿を着色する薬剤

著者: 中村仁1

所属機関: 1東北薬科大学臨床薬剤学

ページ範囲:P.782 - P.784

文献概要

 はじめに

 尿にはウロクロム,ウロビリン,ウロエリスリンなどが含まれ,通常は透明で淡黄色~濃黄茶色を呈している.この尿の色調が変化した場合,病態変化の指標として重要な情報となるため,尿外観を観察することは極めて大切である.主な着色尿の原因を表1に示すが,異常着色尿を見た場合にはその原因を調べる必要がある.

 一方,健常人の場合でも摂取した食品や医薬品の影響,尿の濃縮により尿の色調が変化することがある.特に医薬品には,その服用により病態変化とまぎらわしい尿の異常色調を引き起こすものがいくつかあり注意が必要である.また,この薬剤性の尿色調変化は尿定性検査に干渉し,判断の誤りや,偽陽性,偽陰性の原因にもなる1)ため,これらについて理解をしておく必要がある.

参考文献

1) 村井哲夫,土屋達行:臨床検査値と薬剤.南山堂,1996
2) 中村仁,中川直人,猪岡京子,他:医薬品による排泄物(尿・便)の着色に関する情報の評価.医療薬学 28:244-250,2002
3) 伊藤機一,野崎司:概論:試験紙法による尿定性・判定量検査.日本臨牀 62(増刊):46-83,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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