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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻8号

2006年08月発行

文献概要

どうする?パニック値 生化学

10.血中クレアチニン濃度異常値

著者: 菊池春人1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部

ページ範囲:P.786 - P.788

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 クレアチニンがパニック値となる病態は腎不全(腎糸球体濾過量の著しい減少)であり,速やかな対応が必要となる場合も多い.本稿ではクレアチニンパニック値についての検査側での対応法,あるいは担当医に連絡を取る際に知っておくとスムーズにいくと思われる点について述べてみたい.

当院の基準

 われわれの検査部では,パニック値に関する診療側への連絡は臨床検査相談室(以下,相談室)を通じて行っている.パニック値はまず,分析担当者が発見することになるが,分析担当者から相談室に連絡する基準としては,前回データのない場合5mg/dl以上としている.相談室では,依頼元,他の検査の状況など含めて総合的に判断し,担当医がいまだ腎障害を把握しておらず,すぐには検査結果を参照しない可能性があると判断した場合に担当医に連絡を取っているので,必ずしも分析担当者からのパニック値をすべて連絡しているわけではない.これは,異常値が担当医にわかり切っていると考えられる場合の連絡はかえって手間をとらせるだけという考えによる(ただし,連絡すべきか悩んだときには連絡することにしている).

 なお,現在は臨床検査自動化学会の極端値・パニック値対応マニュアル1)がパニック値の一般的なスタンダードと思われるが,これによると,パニック値は急性の場合3mg/dl,慢性の場合8mg/dlとされている.

参考文献

1) 日本臨床検査自動化学会:極端値・パニック値対応マニュアルVer.1.4.日本臨床検査自動化学会会誌 30(suppl1):63-67,2005
2) 根本孝,山中隆弘,兼坂茂,他:腎臓検査 腎機能障害の多様性とその診断法.レジデントノート 5:28-34,2003
3) 上田史朗:一線診療のための臨床検査 第一章総論臨床編 6 . 腎・尿路疾患 1)腎不全.検査と技術 33:1067-1069,2005
4) 森下芳孝:一線診療のための臨床検査 第二章各論検査編 4 . 生化学検査 4)CRE,UN.検査と技術 33:1260-1263,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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