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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻9号

2006年09月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学 腫瘍マーカー・7

乳癌と腫瘍マーカー

著者: 齊藤光江1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺内分泌外科

ページ範囲:P.872 - P.874

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 一般に,腫瘍マーカーは,血清においては,早期発見や診断に有用であるものと,進行・再発の発見や治療効果の判定に使用されるものとがある.

 乳癌は,その早期診断に有用な腫瘍マーカーは,残念ながらまだ存在しない.しかしひとたび遠隔転移を起こすと,血液中のCEA(carcinoembryonic antigen,癌胎児性抗原)かCA(carbohydrate antigen,糖鎖抗原)15-3が上昇してくるケースが過半数である.転移が進んで,終末期になるまでに,両者のうちのいずれかのマーカーが上昇するケースは7割を超える.いずれのマーカーも正常域にとどまる乳癌転移症例について,他のマーカーが上昇していないか調べてみると,CA125,CA19-9,BCA(breast carcinoma-associated antigen,乳癌関連抗原)225,NCC-ST(national cancer center-stomach:国立がんセンターで胃癌細胞株から作製された抗体)などが上昇していることがある.保険適用の問題から,通常1か月に1度のCEA,CA15-3測定がルーチン検索であるケースがほとんどである現状では,その他のマーカーについては,実はそう多く調べられているわけではないが,一般に得られている知見と,筆者らが行った癌研究会附属病院の再発調査の結果から判明したマーカーと臨床経過との関係について述べてみたい.

参考文献

1) 齊藤光江,霞富士雄:乳癌.臨床と研究 75:515-518,1998
2) 杉山和義,八木義弘:乳癌の臨床―腫瘍マーカー.産婦人科の世界 49:174-177,1997
3) 櫻林郁之介,熊坂一成:検査項辞苑,第2版.大塚アッセイ研究所,1999.6

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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