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検査じょうほう室 〈生化学〉
透析患者におけるCRPによる早期動脈硬化の評価
著者: 吉田須美子1 花木教二2
所属機関: 1重井医学研究所附属病院臨床検査部 2しげい病院検査健診部
ページ範囲:P.56 - P.57
文献購入ページに移動C-反応性蛋白質(C-reactive protein,CRP)は細菌感染や組織破壊などの急性炎症マーカーとして用いられているが,近年になって動脈硬化が炎症反応と深くかかわっていることが明らかになり,慢性炎症の診断が動脈硬化症の診断に有用であると考えられるようになった.しかし,慢性炎症におけるCRP濃度の増加は微増で,従来の測定法の感度では不十分である.したがって,500~1,000倍に感度を上げた高感度CRP測定法が動脈硬化症や心筋梗塞,末梢血管疾患の危険因子および予知指標として測定されつつある.また,血液透析患者は,動脈硬化を促進する危険因子を多くもち,死因の半数近くが,動脈硬化を起因とする心・脳血管障害である.そこで,動脈硬化症のハイリスク群といわれている透析患者において,動脈硬化を早期に診断し,その進展を把握,予防することが重要とされる.
今回は,われわれが検討している透析患者におけるCRPベースラインによる評価方法を中心に,CRPベースラインが早期に動脈硬化の進展を示した実例を紹介する.
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