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加齢と血管機能
著者: 南野徹1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学
ページ範囲:P.78 - P.81
文献購入ページに移動はじめに
加齢は独立した心血管系疾患に対する危険因子である.血管自身の変化だけではなく,加齢に伴いさらにさまざまな危険因子が重なり合うことによって血管はさらに老化していく.その結果,高齢者では心血管系疾患の罹患頻度が極めて高いことが知られている.このように,加齢の心血管系疾患に対する臨床的重要性は明らかとなっているが,血管の老化のメカニズムに関する基礎研究は世界的にもまだ緒についたばかりである.本稿では,加齢に伴う血管機能の変化を臨床的な側面から分子レベルの基礎的研究までにわたって概説したいと思う.
加齢は独立した心血管系疾患に対する危険因子である.血管自身の変化だけではなく,加齢に伴いさらにさまざまな危険因子が重なり合うことによって血管はさらに老化していく.その結果,高齢者では心血管系疾患の罹患頻度が極めて高いことが知られている.このように,加齢の心血管系疾患に対する臨床的重要性は明らかとなっているが,血管の老化のメカニズムに関する基礎研究は世界的にもまだ緒についたばかりである.本稿では,加齢に伴う血管機能の変化を臨床的な側面から分子レベルの基礎的研究までにわたって概説したいと思う.
参考文献
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