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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻1号

2007年01月発行

文献概要

トピックス

臨床検査標準と国際計量標準研究連絡会

著者: 千葉光一1

所属機関: 1独立行政法人産業技術総合研究所計測標準研究部門

ページ範囲:P.84 - P.88

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■バイオ計測・計量の標準化

 タクシーのメータ,ガソリン給油機,マーケットの秤に始まり,環境計測や環境モニタリング,さらには健康診断や臨床検査など,今日ではわれわれは計測や計量がなくては成り立たない社会に生きている.このような社会では誰もが等しく同じ測定結果を得られるようにすること,すなわち計測・計量の標準化を行うことが極めて重要かつ本質的な問題となる.度量衡の設定は,かつては王の権力の象徴であったが,18世紀以降の科学技術の進歩と人間活動範囲の広がりとともに万人が納得できる度量衡の設定,計測や計量における標準化が進められてきた.現在,長さ,重さ,時間などの計測の基準となるさまざまな単位は,メートル条約によって七つの基本的な国際単位系(Le systeme international d'unitesm,SI:m,kg,s,K,A,cd,mol)を世界中で統一した基準として用いることが定めている.さらに,メートル条約の下には,これらの量や単位の実質的な国際整合性を確立し,測定方法や信頼性に関する国際的な合意を形成するための活動を行う機関として国際度量衡委員会(Comite international des poids et mesures,CIPM)が設置されている.CIPMには,kg原器を保管・管理し,CIPMの事務局機能を担う国際度量衡局(Bureau international des poids et mesures,BIPM)と国際単位と基本的な量の統合を具現化するための10の諮問委員会とが設置され,それぞれの分野において計測の国際合性とトレーサビリティを確保するために,国際基準の選定や国際比較などの具体的な活動を行っている(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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