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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻10号

2007年10月発行

文献概要

病気のはなし

肺真菌症

著者: 高橋英気1

所属機関: 1東京都老人医療センター呼吸器科

ページ範囲:P.912 - P.916

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サマリー

 一般的に真菌は病原性が低く,多くの場合全身性・局所性免疫機構の破綻によって生ずる日和見感染症である.近年,後天性免疫不全症候群(acquired immune deficiency syndrome, AIDS),臓器移植,副腎皮質ホルモン・免疫抑制剤による免疫不全患者の増加や,抗菌剤長期投与の菌交代現象を背景として肺真菌症が増加している.診断の基本は喀痰や気管支肺胞洗浄液などからの病原真菌の証明であるが,血清中の真菌特異抗原を測定するキットが開発され臨床的に汎用されている.治療法もアムホテリシンBに代わって,比較的副作用の少ない抗真菌薬が多数登場している.

参考文献

1) 山口英世:真菌症.畑中正一,嶋田甚五郎(編):微生物学.文光堂,pp347-393,1999
2) Stevens DS, Schwartz HJ, Lee JY, et alu:uA randomized trial of itraconazole in allergic bronchopulmonary aspergillosis. N Engl J Med 342:756-762,2000
3) Thomas CF, Limper AHu:uPneumocystis pneumonia. N Engl J Med 350:2487-2498,2004
4) 前崎繁文:肺真菌症.日内会誌 94:2301-2306,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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