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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻10号

2007年10月発行

技術講座 生化学

精度管理用プール血清の作製法とその倫理的話題

著者: 澤部祐司1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.917 - P.921

文献概要

新しい知見

 プール血清を作製する作業は,多くの施設で長年行われてきたことであり,特に新しい知見はない.しかし近年,コミュータビリティの観点からプール血清の利点が見直され,標準化を目的とした外部精度管理,特に地域サーベイにおいて積極的に利用されている.2007年度に実施予定の日本臨床検査技師会による臨床検査データ共有化事業においても,プール血清が使用される予定である1).また,近年の医療に対する倫理的な関心の高まりを受け,人体から採取した材料の二次的な利用に関しても適正な使用法が求められるようになった.プール血清作製のための患者検体使用に関しても,倫理的な側面から議論が進められている.

参考文献

1) 日本臨床検査技師会臨床検査データ共有化部会:臨床検査データ共有化マニュアル―都道府県基幹施設用.医学検査 55:1252-1263,2006
2) 木下幸子:生化学項目の標準化(1)―福岡県での実践.臨床検査 46:867-875,2002
3) 上村八尋:生物試料の凍結融解時の留意点.臨床検査 47:1046-1047,2003
4) 角田美鈴:中空糸膜を利用したプール血清の作製法.検査と技術 35:58-60,2007
5) Baudner S, Haupt H, Hubner Ru:uManufacture and characterization of a new reference preparation for 14 plasma proteins/CRM470=RPPHS lot 5. J Clin Lab Anal 8:177-190,1994
6) 猪川嗣朗:検体検査業務の実態と問題点―特に検体の目的外使用について.臨床化学 31:34-43,2002
7) 吉田浩:医の倫理の歴史的展望と臨床検査残存検体取扱い.臨床病理 52:231-235,2004
8) 日本臨床検査医学会:臨床検査を終了した検体の業務,教育,研究のための使用について―日本臨床検査医学会の見解.臨床病理 50:438-439,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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