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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻10号

2007年10月発行

文献概要

私の一推し免疫染色

カルシトニン免疫染色―家族性腫瘍を見つける

著者: 加藤哲子1

所属機関: 1山形大学医学部人体病理病態学

ページ範囲:P.942 - P.943

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はじめに

 アメリカのE.A.ポオの作品に「黄金虫」という短編がある.海賊が残した暗号を解読して隠された宝物を探し当てる,という話である.暗号は1枚の羊皮紙に記されているのだが,一見,何も書かれていない紙である.この紙きれを手にした主人公が友人の家で犬に飛びつかれ,うっかり暖炉の火で焦がしてしまう.そして気がつくとそこに今まで見えなかった謎の記号が浮かび上がっているのだ.

 われわれが免疫染色を行うとき,多くの場合は調べたい病変があらかじめ決まっていて,それが陽性となるか陰性となるか,を問題にする.けれども,場合によっては見過ごされていた病変の存在自体が,免疫染色で浮かび上がってくることもある.今回は,そのようなケースを家族性甲状腺髄様癌を例に紹介してみたい.

参考文献

1) 佐野壽昭:MEN関連病変の病理学的特徴.病理と臨床 15:698-706,1997
2) 加藤哲子,殿岡幸一,遠藤泰志,他:細胞診で多発を推定しえた甲状腺髄様癌.日本臨床細胞学会雑誌 39:46-51,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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