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臨床医からの質問に答える
悪性リンパ腫の細胞表面マーカーの結果がフローサイトメトリーと免疫染色とで大きく異なることがあるが,どのように考えるべきか?
著者: 一迫玲14 鈴木律朗24 竹内賢吾34
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科血液病理学 2名古屋大学医学部 造血細胞移植情報管理学 3(財)癌研究会癌研究所病理部 4リンパ腫診断ガイドライン協議会
ページ範囲:P.968 - P.972
文献購入ページに移動回答のまとめとして,悪性リンパ腫が疑われて生検組織における免疫学的表現型検索において,フローサイトメトリーで陰性と判定されながら免疫組織化学で陽性とされる場合を表に示す.今回の質問の対象となるのはその「Ⅰ」と「Ⅱ」の二つの場合であり,本稿では主にその2点に触れながら回答させていただく.一方,それと反対にフローサイトメトリーで陽性と判定されながら免疫組織化学で陰性となってしまう理由は,①免疫組織化学(パラフィン切片)用の抗体の感度が低いか一定しないこと(特にCD5)や,②フローサイトメトリー用の検体のみに腫瘍細胞が存在していること(=病理用の検体に腫瘍成分が含まれていない:sampling error),③手技的な問題,などが挙げられる.もっとも,どのような事象に遭遇しても,フローサイトメトリー上で本当に陰性なのか,あるいは非特異的な蛍光反応を陽性と誤判定してはいないのか,という点を検証する姿勢も重要である.
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