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妊娠,授乳期の乳腺細胞診のスクリーニングの仕方と注意点は?
著者: 北村隆司1 土屋眞一2
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院病院病理科 2日本医科大学付属病院病理部
ページ範囲:P.978 - P.980
文献購入ページに移動妊娠あるいは授乳期の患者さんの乳腺細胞診のスクリーニングの仕方や特に注意する点などがあれば教えてください.(岐阜市 A. O.生)
A.北村隆司・土屋眞一
■乳頭分泌物細胞診
産褥早期から授乳期にかけて乳汁の分泌は旺盛となるが,細胞診検査を必要とする乳頭の異常分泌は,膿乳および血乳である.前者は膿性分泌物が乳汁に混じるものであり,後者は血性分泌物が乳汁に混じるものを指す.
膿乳の原因としては急性化膿性乳腺炎が挙げられるが,これは乳頭表面の微小な損傷部から細菌感染が起こることにより生じる.その細胞像では,好中球を主体とした炎症性細胞の増加所見を認める(図1).なお,乳腺炎は進行すると切開による排膿を余儀なくされる場合もあり,好中球の増加所見を認めた場合は,その旨を臨床に報告することが望ましい.
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