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増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 総論
1. 新健診の理念
著者: 山本英紀1
所属機関: 1厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室
ページ範囲:P.1002 - P.1005
文献購入ページに移動日本人の生活習慣の変化や高齢者の増加などにより,近年,糖尿病などの生活習慣病の有病者・予備群が増加してきている.例えば,糖尿病の有病者は約740万人,予備群は約880万人であり,5年間で約1.2倍の増加を示しているとともに,脳卒中による死亡者数は年間約13万人,心筋梗塞による死亡者数は年間約5万人にものぼると推計されている.これらの生活習慣病の増加や高齢者の増加などに伴い,近年,国民医療費が増加してきていることが問題となっており,脳卒中,心筋梗塞の発症数や,糖尿病による人工透析の導入数の増加は,医療費の増加に大きく関与していると考えられている.国民一人一人が,バランスのとれた食生活,適度な運動習慣を身につけることにより,生活習慣病は,予防可能である.そのことから国民皆保険制度を存続可能なものとするために行われた医療制度改革において,生活習慣病対策の推進が大きな柱の一つとされた.具体的な対策としては,高齢者の医療の確保に関する法律に基づき,2008年4月から,医療保険者に,40~74歳の被保険者に対する特定健診・保健指導が義務づけられることとなった.
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