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増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 総論
5. 生化学検査の不確かさの意味と算出法
著者: 細萱茂実1
所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1037 - P.1044
文献購入ページに移動はじめに
標準化とは,製品やサービスをその目的に合致するように,信頼性,安全性,効率性などに優れた技術やシステムの規格を規定し,その規範を広く共有・共用する活動である.
臨床検査の領域でも,基準測定操作法や標準物質の開発,また,それらを用いた検査データの標準化が積極的に進められている.その目的は,いつ,どこで実施しても,信頼性の高い検査値が効率的に提供でき,被検者の疾病予防・診断・治療に寄与することである.
生化学検査は,検体中の目的成分の濃度(量)を測定することが主体であり,測定の結果には高い信頼性が求められる.その信頼性の程度を客観的に表現する指標として「不確かさ」が用いられる.「不確かさ」による信頼性の表現は,分析化学や応用物理など測定・計測に関係するさまざまな分野で共用すべく,国際的な標準化が進められている.
臨床検査の標準化に関する推進母体である国際標準化機構(International Organization for Standardization,略称:ISO)の技術委員会ISO/TC(Technical Committee)212「臨床検査と体外診断検査システム」においても,日常検査値の「不確かさ」に関する国際規格の整備が進められており,「不確かさ」の概念は広く普及しつつある.
また,臨床検査のさまざまな場面で「不確かさ」の表現が用いられ,標準物質の認証値の不確かさ,キャリブレータの表示値の不確かさ,日常検査値の不確かさなど,それぞれで不確かさのもつ意味も若干異なるが,ここでは日常検査値の不確かさについて主に述べる.
標準化とは,製品やサービスをその目的に合致するように,信頼性,安全性,効率性などに優れた技術やシステムの規格を規定し,その規範を広く共有・共用する活動である.
臨床検査の領域でも,基準測定操作法や標準物質の開発,また,それらを用いた検査データの標準化が積極的に進められている.その目的は,いつ,どこで実施しても,信頼性の高い検査値が効率的に提供でき,被検者の疾病予防・診断・治療に寄与することである.
生化学検査は,検体中の目的成分の濃度(量)を測定することが主体であり,測定の結果には高い信頼性が求められる.その信頼性の程度を客観的に表現する指標として「不確かさ」が用いられる.「不確かさ」による信頼性の表現は,分析化学や応用物理など測定・計測に関係するさまざまな分野で共用すべく,国際的な標準化が進められている.
臨床検査の標準化に関する推進母体である国際標準化機構(International Organization for Standardization,略称:ISO)の技術委員会ISO/TC(Technical Committee)212「臨床検査と体外診断検査システム」においても,日常検査値の「不確かさ」に関する国際規格の整備が進められており,「不確かさ」の概念は広く普及しつつある.
また,臨床検査のさまざまな場面で「不確かさ」の表現が用いられ,標準物質の認証値の不確かさ,キャリブレータの表示値の不確かさ,日常検査値の不確かさなど,それぞれで不確かさのもつ意味も若干異なるが,ここでは日常検査値の不確かさについて主に述べる.
参考文献
1) ISO TAG4:Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM). BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, IUPAP, OIML,訂正版1995
2) 今井秀孝(編集):計測の信頼性評価.日本規格協会,1996
3) 飯塚幸三(監修):計測における不確かさの表現のガイド.日本規格協会,1996
4) ISO 17511:In vitro diagnostic medical devices - Measurement of quantities in samples of biological origin - Metrological traceability of values assigned to calibrators and control materials,2003
5) ISO 18153:In vitro diagnostic medical devices - Measurement of quantities in samples of biological origin - Metrological traceability of assigned values for catalytic concentration of enzymes in calibrators and control materials,2003
6) 日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:キャリブレータおよびQA用試料の不確かさ評価方法(Ver.1.4).臨床化学 32:186-199,2003
7) 細萱茂実,桑克彦,濱崎直孝:臨床検査における測定の不確かさ・ケース別推定法.臨床化学 34:40-46,2005
8) 細萱茂実,尾崎由基男:日常検査値の不確かさの推定.生物試料分析 28:126-132,2005
9) 細萱茂実:測定結果の信頼性を表現するための新しい国際ルール―臨床検査における不確かさの評価法.日本臨床検査自動化学会会誌 30:647-653,2005
10) 細萱茂実:“不確かさ”の概念と算出法.検査と技術 34:645-650,2006
11) ISO 5725:Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results,1994
12) ISO GUIDE 33:Uses of certified reference materials,1989
13) 日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:生理的変動に基づいた臨床化学検査36項目における測定の許容誤差限界.臨床化学 35:144-153,2006
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