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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻11号

2007年10月発行

文献概要

増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 総論

9. 生活習慣と臨床検査

著者: 市原清志1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科保健学専攻生態情報検査学

ページ範囲:P.1077 - P.1085

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はじめに

 生活習慣病を発症前に発見し,早期に予防することが健康増進と医療費抑制に繫がるとして,その重要性が広く唱えられている.2008年に開始される特定健診も生活習慣病のなかで最も頻度の多い,メタボリックシンドロームの抑制をねらったものである.その根本は10項目の臨床検査の値と,腹囲,血圧から同症候群をスクリーニングし,将来に予測される糖尿病,動脈硬化性疾患を未然に予防することにある.

 本稿では特定健診項目も含めた,代謝関連マーカとしてのアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase,AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase,ALT),ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(gamma glutamyl transferase,GGT),尿酸(uric acid,UA),総コレステロール(total cholesterol,TCho),高密度リポ蛋白質コレステロール(high density lipoprotein cholesterol,HDL-C),低密度リポ蛋白質コレステロール(low density lipoprotein cholesterol,LDL-C),中性脂肪(triglyceride,TG)が個人特性としての生活習慣をどの程度反映するのかを,多変量解析で分析した結果を提示して解説する.主に用いたデータは生活習慣調査票を使って,食習慣,運動習慣,飲酒,喫煙,身体計測値の情報を同時に調べた住民健診,会社健診,健常ボランティアの検査結果である.その分析結果は,総論8の「生理的変動要因の分析」のなかの個体間変動要因の項で記した内容と重複するが,その記載の根拠となったより詳細なデータとなっている.

参考文献

1) Ichihara K, Itoh Y, Lam CWK, et al:Sources of variation of commonly measured serum analytes among 6 Asian cities and consideration of common reference intervals. Clin Chem 54:(in press),2008
2) 佐藤和孝,市原清志,玄馬顕一,他:新しいHRA(健康危険度評価)質問票を用いた生活習慣特性の分析と入力評価システムの開発.臨床成人病 31:1693-1701,2001
3) 市原清志:臨床検査の技術的評価の考え方と統計処理法 重回帰分析による臨床検査の変動要因の解析法.臨床検査 49:1297-1306,2005
4) StatFlex Ver 5.0 活用マニュアル,アーテック,2000
5) Ichihara K, Kawai T:Determination of reference intervals for 13 plasma proteins based on IFCC international reference preparation (CRM470) and NCCLS proposed guideline (C28-P, 1992):a strategy for partitioning reference individuals with validation based on multivariate analysis. J Clin Lab Anal 11:117-124,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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