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増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 総論
10. メタボリックシンドロームの疫学
著者: 宮崎滋1
所属機関: 1東京逓信病院内科
ページ範囲:P.1086 - P.1095
文献購入ページに移動はじめに
近年,メタボリックシンドロームに対し,医療従事者,研究者のみならず,一般の人の間でも大変関心が高い.わが国でも2005年に診断基準が発表され,その必須項目に腹囲(ウエスト周囲径)が採用され,男性85cm,女性90cmという数値が健常者でも達しうるものであり,人ごとではなくなったということもある1).
しかし,問題はわが国においても肥満と判定される人が増加し,メタボリックシンドロームの基盤となる病態である内臓脂肪を過剰に蓄積した人が増えたことにある.この結果,動脈硬化性疾患である心血管疾患,脳血管疾患の増加が生じており,将来的にますます増加することが危惧されている.
本稿では,メタボリックシンドロームの発症の最上流にある生活習慣の乱れから,肥満を生じ,内臓脂肪蓄積を介し,アウトカムである動脈硬化性疾患発症までについて疫学的に検証してみたい.
近年,メタボリックシンドロームに対し,医療従事者,研究者のみならず,一般の人の間でも大変関心が高い.わが国でも2005年に診断基準が発表され,その必須項目に腹囲(ウエスト周囲径)が採用され,男性85cm,女性90cmという数値が健常者でも達しうるものであり,人ごとではなくなったということもある1).
しかし,問題はわが国においても肥満と判定される人が増加し,メタボリックシンドロームの基盤となる病態である内臓脂肪を過剰に蓄積した人が増えたことにある.この結果,動脈硬化性疾患である心血管疾患,脳血管疾患の増加が生じており,将来的にますます増加することが危惧されている.
本稿では,メタボリックシンドロームの発症の最上流にある生活習慣の乱れから,肥満を生じ,内臓脂肪蓄積を介し,アウトカムである動脈硬化性疾患発症までについて疫学的に検証してみたい.
参考文献
1) 肥満症治療ガイドライン作成員会:メタボリックシンドロームの診断基準と治療の実際.肥満研究 12(臨時増刊号):42-48,2006.
2) World Health Orgation:Defition, diagnosis, and classification of diabete mellitus and its coplications:Report of a WHO consultation. Part 1:Diagnosis and classificatin of diabetes mellitus. World Health Organization, department of Noncommunicable Disease surveillance, Geneva,1999
3) National Institute of Health:Third report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on detection, evaluation, and treatment of high blood cholesterol in adults (Adult treatment Panel), National Institute of Health, Bethesda, MD. NIH Publication 01-3670,2001.
4) IDF, A New world wide definition of the Metabolic syndrome. press release, Berlin,14. Apr. 2005
5) 中村正,梁美和,野口緑,他:メタボリックシンドローム診断における腹囲測定の役割 診断法とその意義.医学のあゆみ 213:585-588,2005
6) Cameron AJ, Shaw JE, Zimmet PZ:The meta-bolic syndrome:prevalence in worldwide populations. Endocrinol Metab Clin North Am 33:351-375,2004
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8) 土中康之,清原裕:メタボリックシンドロームの疫学.肥満・メタボリックシンドローム診療ガイダンス メジカルビュー社,pp38-41,2005
9) Ford ES, Giles WH, Dietz WH:Prevalence of the metabolic syndrome among US adults:finding from the third National Health and Nutrition Examination Survey. JAMA 287:356-359,2002
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