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増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 各論
1. 検査前手順 2) 健診準備 (2) 問診表
著者: 野村幸史1
所属機関: 1野村病院
ページ範囲:P.1159 - P.1167
文献購入ページに移動問診とは視診,聴診,触診などと並ぶ診察(医師法第20条など)の一つであり,William Oslarの有名な言葉“Listen to the patient, and he is telling you the diagnosis”を引き合いに出すまでもなく,疾病診断におけるその重要性は古くから認められている1).しかし,いわゆる健診は自覚症状や検査値異常を有する受診者の診療とは違ってスクリーニング的役割が大きく,したがって問診の意義も異なる.
一般健康診断における問診については1972年に労働安全衛生法に基づく労働安全規則のなかで初めて取り上げられ,既往歴,業務歴および自覚症状の三つの調査が求められている.さらに同年9月の労働省労働基準局長通達によって「自覚症状に関するものについては,最近において受診者本人が自覚する事項を中心に聴取することとし,この際本人の業務に関連が深いと医学的に想定されるものを合わせて行う」ように指導され,その具体的な内容については診察の一環として医師の裁量に委ねられて今日に至っている.
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