icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻11号

2007年10月発行

文献概要

増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル 各論

2. 検査手順 3) 尿,血液検査 (2) 尿定性

著者: 宿谷賢一1 下澤達雄1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1216 - P.1222

文献購入ページに移動
はじめに

 日常検査で頻繁に用いられる尿定性検査(尿試験紙検査)は,臨床検査技師のみならず,医師・看護師も検査経験があり,大学病院からクリニック,また,集団検診・人間ドックなど多くの医療現場で実施されている.この尿定性検査は多項目試験紙として最大11項目(蛋白,アルブミン,クレアチニン,潜血,白血球,亜硝酸塩,ブドウ糖,ケトン体,pH,ビリルビン,ウロビリノゲン)を同時に検査可能である.また,学校集団検尿や地域健診により一般社会にもよく浸透している臨床検査の一つであり,1991年からは一般用検査薬(over the counter,OTC)として尿糖・尿蛋白の試験紙が薬局・薬店で販売されることにより,自宅でセルフチェックができるようになった.

 1998年に日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)では,尿試験紙の表示濃度の統一化を目的に『尿試験紙検討委員会(伊藤機一委員長)』を発足させ,検討を重ねた結果,2005年度末までに国内における尿試験紙の表示濃度の統一化が図られ現在に至っている1,2)

 メタボリックシンドロームの診断基準には尿検査は含まれていないが,心血管イベントのリスクの評価として蛋白,ブドウ糖は重要な点であり別項で詳細に述べられるので,本稿では尿検査を健診で行う場合に留意する点について概説する.

参考文献

1) JCCLS尿標準化委員会・尿試験紙検討委員会(編):「尿試験紙検討法」JCCLS提案指針(追補版)尿蛋白,尿ブドウ糖,尿潜血試験紙部分表示の統一化.日本臨床検査標準協議会会誌 19:53-55,2004
2) 高橋勝幸,伊藤機一:一般検査尿試験紙法.Medical Technology別冊 新・カラーアトラス尿検査,医歯薬出版,pp22-27,2004
3) 伊藤機一,野崎司:試験紙法による尿定性・半定量検査.日本臨床 57(増刊):45-79,1999
4) 宿谷賢一:尿定性検査の変遷と展望.医学検査 49:753-762,2000
5) 佐々木正義,宿谷賢一:平成18年度日臨技臨床検査精度管理調査報告書,pp729-745,2006
6) 太田宣秀,鈴木統久:尿試験紙の果たす役割.尿定性・半定量検査プラクティス,臨床病理特集第100号.臨床病理刊行会,pp237-244,1995
7) 數見文彦:画像処理システムを用いた尿自動分析装置の可能性.尿定性・半定量検査プラクティス,臨床病理特集第100号,臨床病理刊行会,pp262-267,1995
8) 高田典彦,西村理:尿定性・半定量検査の精度向上へのアプローチ.尿定性・半定量検査プラクティス,臨床病理特集第100号,臨床病理刊行会,pp268-271,1995
9) 五十嵐すみ子:尿コントロール物質.尿定性・半定量検査プラクティス,臨床病理特集第100号,臨床病理刊行会,pp218-226,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?