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卵円形脂肪体と脂肪化したマクロファージの鑑別法
著者: 川辺民昭1
所属機関: 1京都市立病院臨床検査科
ページ範囲:P.1356 - P.1356
文献購入ページに移動 卵円形脂肪体(oval fat body,OFB)はネフローゼ症候群などの高蛋白尿を示す腎疾患患者尿にみられる脂肪顆粒細胞であるが,一方,尿中にはOFB以外の脂肪顆粒細胞も出現する.前立腺マッサージ後などに認められる脂肪を貪食したマクロファージは,細胞質内に脂肪顆粒が充満しOFBと類似の細胞像を示す.図においてaはOFB,bはマクロファージとすべき細胞であるが,その違いがどこにあるのか,鑑別のポイントについて述べる.
■OFBの定義と判定の現状
OFBはネフローゼ症候群診断基準の参考所見に挙げられており,臨床的意義の高い尿沈渣成分である.したがって有意義な報告を行うためには,尿中脂肪顆粒細胞のなかでもネフローゼ症候群などの腎疾患に出現するものをOFBと限定する必要がある.
■OFBの定義と判定の現状
OFBはネフローゼ症候群診断基準の参考所見に挙げられており,臨床的意義の高い尿沈渣成分である.したがって有意義な報告を行うためには,尿中脂肪顆粒細胞のなかでもネフローゼ症候群などの腎疾患に出現するものをOFBと限定する必要がある.
参考文献
1) 日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会:尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2) 堀田修:尿中脂肪球および卵円形脂肪体の鑑別法と臨床的意義.検査と技術 26:441-446,1998
3) 川辺民昭,古市佳也,三宅秀一,他:卵円形脂肪体の細胞起源と出現機序 第1報・第2報.医学検査 49:1282-1292,2000
4) 川辺民昭,黒木登美子,三宅秀一,他:ネフローゼ症候群における尿中卵円形脂肪体の特徴と意義.日臨細胞誌 44:49-55,2005
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