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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻12号

2007年11月発行

文献概要

失敗から学び磨く検査技術―臨床化学編

溶血とインスリン測定

著者: 平野哲夫1

所属機関: 1東京警察病院臨床検査第一部

ページ範囲:P.1361 - P.1363

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 なぜ溶血するのだろうか?検体は患者からいただく貴重な試料であり検査室で精密かつ正確な分析をしても,採取したサンプルが不適切な場合は,正しい臨床的評価はできない.検査をするうえで検体が溶血する原因を知っておくことが重要である.溶血は体内および体外溶血に分けられる.


溶血についての知識

1 . 体内溶血の要因とは?

 体内で生じる溶血の原因は,①先天性遺伝的素因(赤血球膜の異常,酵素異常,ヘモグロビン異常)による溶血,②後天性素因としては赤血球に対する自己抗体,蛇毒や赤血球破砕症候群,発作性夜間血色素尿症などに起因する溶血が挙げられる.

参考文献

1) O'Rahilly S, Burnett MA, Smith RF, et al:Haemolysis affects insulin but not C-Peptide immunoassay. Diabetologia 30:394-396,1987
2) Xie L, Helmerhorst E, Taddei K, et al:Alzheimer's β-Amyloid Peptides Compete for Insulin Binding to the Insulin Receptor. J Neurosci 22:RC221 1-5,2002
3) Sapin R, Ongagna JC, Gasser F, et al:Insulin measurements in haemolysed serum:influence of insulinase inhibitors. Clin Chim Acta 274:111-117,1998
4) 横野浩一:インスリンアナログ開発研究と製剤 超速効型,超持続型インスリン製剤開発の動向―作用特性と臨床的有用性.日本臨床 59:2127-2133,2001
5) 寺内康夫,菅野信子,粟沢元晴,他:インスリンアナログ製剤使用患者の血漿インスリン測定.医学のあゆみ 211:265-266,2004
6) 菅野信子,田邊久美子,永友利津子,他:化学発光酵素免疫測定装置「SphereLight180(R)」によるスフィアライト インシュリン[]試薬の基礎的検討.医学と薬学 56:597-603,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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