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臨床医からの質問に答える
血小板機能検査依頼時の注意点
著者: 金子誠1 菅野信子1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1382 - P.1386
文献購入ページに移動はじめに
血小板は止血機構の中心を担う血液細胞である.その役割としては,(1)血管傷害部位へ粘着して活性化する,(2)顆粒内容物を放出して新たな血小板を活性化する,(3)活性化した血小板が凝集して止血する,が挙げられる.このように血小板には,粘着・放出・凝集の三つの大きな機能があり,これら機能を検査する方法には表1に示すものが知られている.そのなかでも特に重要な項目,注意事項などについて概説する.
血小板は止血機構の中心を担う血液細胞である.その役割としては,(1)血管傷害部位へ粘着して活性化する,(2)顆粒内容物を放出して新たな血小板を活性化する,(3)活性化した血小板が凝集して止血する,が挙げられる.このように血小板には,粘着・放出・凝集の三つの大きな機能があり,これら機能を検査する方法には表1に示すものが知られている.そのなかでも特に重要な項目,注意事項などについて概説する.
参考文献
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