検査と技術35巻12号

2007年11月発行

Laboratory Practice 〈輸血●ヒト由来抗血清からモノクローナル抗体に・2〉

ABO血液型検査―事例を中心とした問題点・留意点

著者： 矢部隆一¹

所属機関： ¹東京都赤十字血液センター検査部

ページ範囲：P.1372 - P.1377

文献概要

はじめに

　ABO血液型では“自己のもつ抗原とは反応しない抗体が必ず存在する”ので，異型血球の輸血は重篤な輸血副作用を引き起こす．このため輸血検査ではABO血液型検査は最も重要な検査である．今回この執筆にあたり筆者が経験した多くの事例からABO血液型の決定にあたり，その問題点や留意点を紹介する．

参考文献

1) Barnstable CJ, Bodmar WF, Brown G：Production of monoclonal antibodies to group A erythrocytes, HLA and other human cell surface antigens-new tools for genetic analysis. Cell 14：9-20，1978

2) Tippett P：Blood group chimeras. A review. Vox Sang 44：333-359，1983

3) 常山初江：検査業務―血液型検査を知ろう　ABO血液型，Rh血液型，亜型試験を中心に．医学検査 54：11-21，2005

4) 日高陽子，川田典子，奥田誠，他：試験管法とカラム凝集法の血液型うら試験の比較による反応解析．日本輸血学会雑誌 49：276，2003

5) 宮子博，立川良昭，岩男千恵子，他：自動輸血検査装置ID-GelStationの使用経験―試験管法およびAutoVueとの比較検討．日本輸血学会雑誌 49：666-672，2003

6) 矢部隆一：輸血検査の標準化　血液型判定用モノクローナル抗体の特徴―抗A，抗B，抗D抗体．日本輸血学会雑誌 52：209，2006

7) 厚生労働省医薬食品局血液対策課：輸血療法の実施に関する指針(改定版)．p10，2005