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短時間MPHA(M-MPHA)法の紹介
著者: 柿沼幸利1
所属機関: 1オリンパス株式会社ダイアグノスティックシステムズ 国内営業部輸血営業推進室
ページ範囲:P.1395 - P.1397
文献購入ページに移動はじめに
血液の細胞成分である血小板には,ABO,HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球型抗原),HPA(human platelet antigen,血小板特異抗原)などの抗原が存在する.輸血や妊娠によってこれらに対する同種抗体が産生されると,血小板輸血不応答や同種免疫性新生児血小板減少症などの原因となる.また,血小板膜上の糖蛋白を認識する自己抗体は特発性血小板減少性紫斑病等の自己免疫性疾患に関与する.抗血小板抗体の検出法には,蛍光抗体法(platelet suspension immunofluorescence test,PSIFT),MAIPA(monoclonal antibody immobilization of platelet antigen)法,MPHA(mixed passive haemagglutination)法などがあるが,わが国での抗血小板抗体スクリーニングにはMPHA法がよく用いられている.本稿では,MPHA法の短時間化法であるM-MPHA(magnetic-mixed passive haemagglutination)法について紹介する.
血液の細胞成分である血小板には,ABO,HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球型抗原),HPA(human platelet antigen,血小板特異抗原)などの抗原が存在する.輸血や妊娠によってこれらに対する同種抗体が産生されると,血小板輸血不応答や同種免疫性新生児血小板減少症などの原因となる.また,血小板膜上の糖蛋白を認識する自己抗体は特発性血小板減少性紫斑病等の自己免疫性疾患に関与する.抗血小板抗体の検出法には,蛍光抗体法(platelet suspension immunofluorescence test,PSIFT),MAIPA(monoclonal antibody immobilization of platelet antigen)法,MPHA(mixed passive haemagglutination)法などがあるが,わが国での抗血小板抗体スクリーニングにはMPHA法がよく用いられている.本稿では,MPHA法の短時間化法であるM-MPHA(magnetic-mixed passive haemagglutination)法について紹介する.
参考文献
1) Shibata Y, Juji T, Nishizawa Y, et al:Detection of platelet antibodies by a newly developed mixed agglutination with platelets. Vox Sang 41:25-31,1981
2) 森田庄治,井上進,川田紀子,他:磁性粒子を応用した迅速な血小板抗体検出の試み.血液事業 25:33-40,2002
3) 小林洋紀,松山雄一,山際仁,他:MPHA法では検出できず,磁性粒子法で検出されたHPA-3b抗体が原因であった新生児同種免疫性血小板.日本輸血学会雑誌 49:317,2003
4) Ohgama J, Yabe R, Tamai T, et al:A new solid-phase assay system using magnetic force on blood group serology. Transfus Med 6:351-359,1996
5) 斉藤敏,玉井豊広,太田正穂,他:IgM型HLAクラス抗体の血小板輸血不応状態への関与―PTR患者における免疫グロブリンクラス別HLA抗体陽性率.日本輸血学会雑誌 52:405-413,2006
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