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病気のはなし
WPW症候群
著者: 山田優子1 鎌倉史郎1
所属機関: 1国立循環器病センター心臓血管内科
ページ範囲:P.1418 - P.1423
文献購入ページに移動Wolff-Parkinson-White(WPW)症候群とは,正常な刺激伝導路(房室結節)以外に先天的に心房と心室間にケント束(Kent bundle)と呼ばれる副伝導路を有し,ときに上室性頻拍を合併する症候群である.心電図はデルタ波,PQ時間短縮,QRS間隔の延長を示す.WPW症候群は,洞調律時にデルタ波を認める顕性WPW症候群と,洞調律時にデルタ波を認めない潜在性WPW症候群に分けられる.WPW症候群では,頻拍発作による動悸が問題となることが多く,その原因として発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia,PSVT)や発作性心房細動が多い.頻拍発作によりQOL(quality of life)が損なわれる例,顕性WPW症候群で心房細動を伴う例などでは,高周波カテーテルアブレーション治療が有用である.
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