検査と技術35巻13号

2007年12月発行

技術講座 一般

気管支肺胞洗浄液の一般検査

著者： 保科ひづる¹

所属機関： ¹諏訪中央病院技術部検査科

ページ範囲：P.1425 - P.1432

新しい知見

　気管支鏡を用いて行われる検査方法の気管支肺胞洗浄液は，比較的合併症がなく，肺胞の状態，細胞や分子の構成，日和見感染，間質の活動性や他の肺の病気について，画像診断と併用し診断・病因・査定ができる．しかし，その一方では臨床検査分野のなかで，検査の定義や手技が，統一化・確立化されていないのが現状である．この気管支肺胞洗浄液の検査方法や基礎データの結果が広まり，より診断や治療の手助けになるために情報源の充実・有用性の向上が望まれる．

参考文献

1) American thoracic society : ATS guidelines : Clinical role of bronchoalveolar lavage in adults with pulmonary disease，1990

2) 螺良英郎，安岡劭，尾崎敏夫，他：気管・肺胞洗浄液を用いたびまん性肺疾患の診断．厚生省特定疾患「肺線維症」調査研究班，昭和52年度研究報告書．p85，1978

3) 厚生省特定疾患「びまん性肺疾患」調査研究班(編)：びまん性肺疾患における気管支肺胞洗浄法(BAL)の手技と応用に関する指針，1991

4) Ulrich Costabel(著)，長井苑子，泉孝英(監訳)：気管支肺胞洗浄［BAL］アトラス．金芳堂，pp1-10，1995

5) 長井苑子，半田知宏：びまん性肺疾患，診断と治療の進歩，診断の進歩，気管支肺胞洗浄液解析の意義．日内会誌　95：993-997，2006

6) 米田良蔵，毛利孝，小西一樹：BAL法の手技．田村昌士(編)：気管支肺胞洗浄(BAL)法の臨床ガイドライン．克誠堂，pp14-24，1995

7) 田村昌士，貫和敏博：BAL法の歴史的背景．BALの臨床応用．田村昌士(編)：気管支肺胞洗浄ガイドライン．克誠堂，pp1-13，1995

8) 稲垣清剛，稲垣勇夫：一般検査領域における穿刺液細胞アトラス．医歯薬出版，pp37-38，1994

9) (社)日本臨床衛生検査技師会髄液検査法編集ワーキンググループ：髄液検査法2002．(社)日本臨床衛生検査技師会，pp37-41，2002

10) 牧野有希，油野友二，井口昌晴：液状検体の取り扱い方と基本的検査法　気管支洗浄液．Medical technology　30：201-206，2002

11) 石岡伸一，佐藤篤彦，小西一樹，他：間質性肺炎．田村昌士(編)：気管支肺胞洗浄ガイドライン．克誠堂，pp56-94，1995

13) Peterson MW, Monick M, Hunninghake GW : Prognostic role of eosinophils in pulmonary fibrosis. Chest　92：51-56，1987