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文献概要
技術講座 生化学
フローサイトメトリーによる活性化血小板の検出
著者: 清水美衣1
所属機関: 1東海大学医学部神経内科
ページ範囲:P.1433 - P.1437
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血栓形成に血小板が大きくかかわることはよく知られている.本来,血小板は止血が主な役割である.しかし,動脈硬化など内皮細胞を傷つけるような環境下では,血小板は常に刺激された状態となり,少しの刺激でも血栓を作ってしまう“血栓準備段階”に陥っている.1985年にShattilらは,フローサイトメトリーの変法として活性化血小板の検出法を考案した.われわれは,この検出法を利用し,脳梗塞患者およびその予備群について血小板の活性化状態を検討した.その結果,脳梗塞およびその予備群の血小板は活性化状態にあることが明らかとなった.活性化血小板の検出は,血栓形成の徴候を捉えるマーカーとして有用である.
血栓形成に血小板が大きくかかわることはよく知られている.本来,血小板は止血が主な役割である.しかし,動脈硬化など内皮細胞を傷つけるような環境下では,血小板は常に刺激された状態となり,少しの刺激でも血栓を作ってしまう“血栓準備段階”に陥っている.1985年にShattilらは,フローサイトメトリーの変法として活性化血小板の検出法を考案した.われわれは,この検出法を利用し,脳梗塞患者およびその予備群について血小板の活性化状態を検討した.その結果,脳梗塞およびその予備群の血小板は活性化状態にあることが明らかとなった.活性化血小板の検出は,血栓形成の徴候を捉えるマーカーとして有用である.
参考文献
1) del Zoppo GJ, Hallenbeck JH : Advances in the vascular pathophysiology of ischemic stroke. Thromb Res 93:73-81,2000
2) Shattil SJ, Cunningham M, Hoxie JA : Detection of activated platelets in whole blood using activation-dependent monoclonal antibodies and flow cytometry. Blood 70:307-315,1987
3) Michelson AD : Flow cytometry : a clinical test of platelet function. Blood 87:4925-4936,1996
4) Shimizu M, Kamio K, Haida M, et al : Platelet activation in patients with obstructive sleep apnea syndrome and effects of nasal-continuous positive airway pressure. Tokai J Exp Clin Med 27:107-112,2002
5) Shimizu M, Yamamoto M, Ando Y, et al : Detection of activated platelets in patients with cerebral infarction at the acute and chronic stages. 脳卒中 24:234-239,2002
6) 清水美衣,篠原幸人:Flow cytometryによる活性化血小板の検出.日本血栓止血学会誌 16:386-392,2005
7) Hirabayashi H, Shimizu M, Kohara S, et al : Activated platelets in transient global amnesia and TIA. Neurology 63:736-738,2004
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