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私の一推し免疫染色
組織球肉腫(histiocytic sarcoma)の確定診断には,単球/マクロファージ特異抗原CD163の免疫染色が有用である
著者: 岩知道伸久1 定平吉都1
所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部
ページ範囲:P.1448 - P.1449
文献購入ページに移動69歳の男性.近医で白血球増多を指摘されたが放置.翌年,皮疹を主訴に受診した.軽度肝腫大があったが,リンパ節腫大はなかった.末梢血は,好中球増加,貧血,血小板減少を認め,血清LDH(lactate dehydrogenase)およびフェリチンは高値であった.皮疹部の皮膚生検では,真皮~皮下組織にかけて血管周囲,付属器周囲,皮下組織内に大型の異型細胞の浸潤像を認めた.しかし,皮疹は自然消退したため,無治療での外来観察が続いていた.翌年には貧血の進行がみられ,骨髄塗抹標本では6%の大型異型細胞が確認された.血清リゾチームは140μg/mlと上昇しており,悪性組織球症と診断された.多剤併用療法にて寛解が得られたが,同年再入院となった.体温38.8°C,肝脾腫に加え,左頸部と右鎖骨部皮下に腫瘤を認めた.骨髄の大型異型細胞は49.2%と著明に増加しており,病態の改善がみられないまま肺炎を併発し死亡した.剖検では,腫瘍細胞は骨髄,脾,肝,肺,腎,皮膚,睾丸,声帯,膵周囲リンパ節に浸潤していた.
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