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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻13号

2007年12月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理〉

Hirschsprung病の診断法:Acetylcholineste-rase(AchE)染色の実際

著者: 堀江弘1 有田茂実1 中山茂1

所属機関: 1千葉県こども病院検査部病理科

ページ範囲:P.1465 - P.1468

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はじめに

 Hirschsprung病(以下,H病)は新生児期から乳児期に発症する代表的な消化管疾患であり,その病態の解明により手術的に治癒可能となった.近年,術前後の管理,手術手技の向上や鏡視下手術の導入などにより,人工肛門を造設せず一期的に根治手術することが可能となり,術前診断の重要性がさらに増している.

 H病の診断は臨床所見,X線注腸造影,直腸肛門内圧反射検査,病理組織診断によりなされてきた.病理学的には直腸生検標本における,神経節細胞の欠如を診断する方法が用いられてきたが,組織化学的染色であるAcetylcholinesterase(AchE)染色を診断に用いることの有用性が示されてからは1,この診断法が広く用いられるようになっている.本診断法は従来の診断法に比べ信頼性が高いと評価されており,われわれもこの方法をH病の基本的な診断手技としている.本稿ではその診断法の有用性ならびにAchE染色に当たっての諸問題について述べてみたい.

参考文献

1) Meier-Ruge W, Lutterbeck PM, Herzog B, et al : Acetylcholinesterase activity in suction biopsies of the rectum in the diagnosis of Hirschsprung's disease. J Pediatr Surg 7:11-17,1972
2) 堀江弘:胎児・新生児の消化管異常の病理.病理と臨床 25:48-54,2007
3) Karnovsky MJ, Roots L : A "DIRECT-COLORING" THIOCHOLINE METHOD FOR CHOLINESTERASES. J Histochem Cytochem 12:219-221,1964
4) Martucciello G, Favre A, Torre M, et al : A new rapid acetylcholinesterase histochemical method for the intraoperative diagnosis of Hirschsprung's disease and intestinal neuronal dysplasia. Eur J Pediatr Surg 11:300-304,2001
5) Kobayashi H, Miyahara K, Kusafuka J, et al : A new rapid acetylchorinesterase staining kit for diagnosing Hirschsprung's disease. Pediatr Surg Int 23:505-508,2007
6) 黒田正宏,黒田迪子,相馬信,他:過敏性大腸炎症候群患者のコリンエステラーゼ活性:大腸生検による酵素組織化学的検討.自律神経 9:208-213,1972

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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