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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻2号

2007年02月発行

文献概要

病気のはなし

関節リウマチ

著者: 熊谷俊一1

所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科生体情報医学講座臨床病態・免疫学分野

ページ範囲:P.106 - P.110

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サマリー

 わが国の関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)患者数は70万人と推察され,進行すると関節障害をもたらす.抗腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor,TNF)-α薬などの生物学的製剤の導入は,「関節変形を防ぎ関節障害を起こさせない」ことを可能としつつあるが,そのためには早期診断早期治療が重要である.RAの診断にはリウマトイド因子(rheumatoid factor,RF)が用いられてきたが,RFは他の膠原病や慢性炎症性疾患でもしばしば陽性となり,特異性が低いことが問題であった.抗シトルリン化ペプチド(cyclic citrullinated peptide,CCP)抗体は保険未収載であるが,特異度が高く診断に有用である.RAでは早期に関節予後を推定することも重要であるが,抗CCP抗体やマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase,MMP)-3が関節破壊のマーカーとして注目されている.RA患者の関節の破壊は発症後2年以内に進行することが多く,そのような症例を見きわめ早期からしっかりと治療することが重要である.

参考文献

1)熊谷俊一,森信早穂子,河野誠司:関節リウマチの診断 疾患関連遺伝子と診断.医学と薬学 53:397-403,2005
2)熊谷俊一,林伸英:一線診療のための臨床検査 8 . 膠原病の検査 2)関節リウマチ.検査と技術 33:1097-1102,2005
3)Wiik AS, Gordon TP, Kavanaugh AF, et al:Cutting edge diagnosis in rheumatology:The role of patients, clinicians, and laboratory scientists in optimizing the use of autoimmune serology. Arthritis Rheum (Arthritis Care Res) 51:291-298,2004
4)熊谷俊一:EBMと膠原病診断.日本醫亊新報 3997:1-7,2000
5)熊谷俊一:早期診断と臨床検査 各論―早期診断に有用な検査とその利用法―7. 膠原病・アレルギー疾患.日内誌 94:2545-2551,2005
6)American College of Rheumatology Subcommittee on Rheumatoid Arthritis Guidelines. Guidelines for the management of rheumatoid arthritisu:u2002 Update. Arthritis Rheum 46:328-346,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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