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慢性骨髄性白血病
著者: 佐藤優実子1 東克巳2
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部 2杏林大学保健部臨床血液学研究室
ページ範囲:P.116 - P.116
文献購入ページに移動CMLは,多能性造血幹細胞の異常により,末梢血中に芽球から成熟好中球までの各段階の顆粒球系細胞が増加し,白血球増多症をきたす疾患である.白血球数は,一般的に10,000~50,000/μlであることが多いが,時に数十万/μlになることもある.好塩基球の増加(3%以上)を伴うのも特徴で,好中球アルカリフォスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase,NAP)活性は極めて低値を示す.骨髄血では,有核細胞数が著増し,細胞密度の上昇が観察される.これは主に,顆粒球の著明な過形成であり,顆粒球と赤芽球の比率(myeloid/erythroid ratio,M/E比)は10~50対1以上と著明な高値となる.顆粒球系の好中球は各成熟段階のものがほぼ正常の比率で増加し,一方,好塩基球や好酸球が正常の比率より増加していることが特徴である.また,骨髄巨核球も増加していることが多い.慢性期の芽球比率は通常5%以下にとどまるが,急性転化とともにその比率は上昇し,30%を超えるようになる.
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