文献詳細
文献概要
疾患と検査値の推移
前立腺癌
著者: 鈴木和浩1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科器官代謝制御学講座泌尿器病態学分野
ページ範囲:P.129 - P.134
文献購入ページに移動前立腺癌とは
前立腺は男性だけにある臓器で,膀胱の下に位置し尿道を取り囲み,栗のような形をしており,後面にはデノビア筋膜を隔てて直腸があり,前面は血管の束と恥骨が存在する.精液の約3分の1を作りだし,前立腺液として精液の一部となる.精巣から主に分泌される男性ホルモンによって機能が維持されており,男性の副性器とされている臓器である.男性ホルモンの存在が前立腺癌には必須であり,両側の精巣の機能のない男性では前立腺癌は発生しないとされている.
前立腺には大きく分けて二つの部位(ゾーン)が存在する.従来内腺と呼ばれた移行域と,外腺と呼ばれた辺縁域である.この違いは,前立腺肥大症や前立腺癌の発生する部分として重要となる.前立腺肥大症は,移行域が肥大した状態であり,移行域の中央を尿道が貫通しているために,肥大による圧迫症状が出やすく,排尿障害が出現することになる.一方,前立腺癌は,辺縁域に発生することが多く,移行域のみに見られるものは約15%に過ぎない.辺縁域では尿道への影響が出にくく,排尿障害といった症状が早期には出にくいのが特徴となっている.
前立腺は男性だけにある臓器で,膀胱の下に位置し尿道を取り囲み,栗のような形をしており,後面にはデノビア筋膜を隔てて直腸があり,前面は血管の束と恥骨が存在する.精液の約3分の1を作りだし,前立腺液として精液の一部となる.精巣から主に分泌される男性ホルモンによって機能が維持されており,男性の副性器とされている臓器である.男性ホルモンの存在が前立腺癌には必須であり,両側の精巣の機能のない男性では前立腺癌は発生しないとされている.
前立腺には大きく分けて二つの部位(ゾーン)が存在する.従来内腺と呼ばれた移行域と,外腺と呼ばれた辺縁域である.この違いは,前立腺肥大症や前立腺癌の発生する部分として重要となる.前立腺肥大症は,移行域が肥大した状態であり,移行域の中央を尿道が貫通しているために,肥大による圧迫症状が出やすく,排尿障害が出現することになる.一方,前立腺癌は,辺縁域に発生することが多く,移行域のみに見られるものは約15%に過ぎない.辺縁域では尿道への影響が出にくく,排尿障害といった症状が早期には出にくいのが特徴となっている.
参考文献
1)Parkin DM, Pisani P, Ferlay J:Global cancer statistics. CA Cancer J Clin 49:33-64,1999
2)Steinberg GD, Carter BS, Beaty TH, et al:Family history and the risk of prostate cancer Prostate 17:337-347,1990
3)Roach M 3rd, Hanks G, Thames H Jr, et al:Defining biochemical failure following radio therapy with in without hormonal therapy in men with clinically localized prostate cancer Recommendations of the RTOM-ASTRO Phoenix Consensas Conference. Int J Radiat Oncol Biol Phys 65:965-974,2006
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