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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻2号

2007年02月発行

文献概要

けんさ質問箱

遠心分離の条件で尿沈渣のデータに差が出るのでしょうか?

著者: 吉澤梨津好1

所属機関: 1(財)倉敷中央病院臨床検査科

ページ範囲:P.174 - P.176

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Q遠心分離の条件で尿沈渣のデータに差が出るのでしょうか?

以前,外来での至急検査で,尿沈渣のデータには2,000rpm2分間と1,500rpm5分間とではさほど差がないという記事を雑誌で読みました.ところが,私の病院では大きな差が出ています.何が考えられるのか,教えてください.(横浜市 A.B.生)

 

A吉澤梨津好

 尿沈渣検査の遠心分離条件に関するご質問ですが,遠心条件は遠心器の大きさ(半径)によって回転数が同じでも遠心力は異なります1).ご質問の回転数1,500rpmは尿沈渣標準化法の500Gを指すと思われ,2,000rpmは当検査室では760Gに相当することから,遠心分離条件を500G,5分間と760G,2分間に設定し,任意の43検体(浸透圧128~968mOsm/kg・H2O)を用い簡単な実験を行いました.なお沈渣成分の算定には,客観的で正確なデータを得るため全自動尿中有形成分分析装置UF-100(シスメックス社,以下分析装置)を用いました.

参考文献

1)(社)日本臨床衛生検査技師会編:尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2)市原清志:バイオサイエンスの統計学.南江堂,pp44-45,1991
3)稲垣勇夫:尿沈渣の標準法について.九州地区教育セミナー 第5回一般検査研修会 テキスト,pp55-61,1991
4)五十嵐すみ子,長浜大輔,塙勇至,他:尿沈渣作製主義が成績に及ぼす差異について.衛生検査 26:1132-1140,1977
5)丸山博史,青木哲雄,菊池和子,他:尿沈渣標本作製の誤差要因.衛生検査 28:1058-1063,1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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